「開いてみせて」
知里も近づいてきてそう言った。
昇が日記が書かれている最後のページを開くと、そこには1ページ使って少女の似顔絵が描かれていた。

「これ誰?」
「さぁ? みたことない子だな」
年齢的には私達とそうかわらなさそうだ。

もう少し前のページをめくってみると、【R‐リアル】について書かれているページを見つけた。

《久しぶりにスマホゲームをしてみることにした。
【R‐リアル】最近若い人たちの間で流行っていると聞いたことがある。

コンテストとか賞金とかちょっと怪しい。
生徒たちが参加しているかもしれないから、念の為に自分もダウンロードした》

「そうだったんだ。菅原先生は生徒たちのことを心配して【R‐リアル】を始めたんだ」

知里が日記を読んで苦しげに呟く。
私達は単に賞金欲しさに参加してしまった。
そんな自分がまだ生きていることが、なんだか許せない気持ちになってくる。

《なにかがおかしい。【R‐リアル】を2回失敗してから、妙な人物が見えるようになった。
だけど誰に聞いてもそこには誰もいないと言う。