アバター
最近アプリを使ってアバターを作ることにハマっている。
アバターとは自分の好きな顔、髪色などを決めて作る画面上のキャラクターのことだ。
最初は自分に似せたアバターを作っていたけれど、サッカー部の吉田先輩を好きになってからは吉田先輩に似せたアバター作りに専念するようになった。
「これ、そっくりじゃない!?」
スマホ画面を見つめて満足気に呟くヒマリ。
吉田先輩にそっくりなアバターを作るために一月分のお小遣いをゲームに課金して、アイテムをゲットした。
そのため、画面の中で微笑んでくる彼は吉田先輩の生き写しみたいだった。
「ふふ。これからよろしくね、吉田先輩」
アバターは画面の上で自分の部屋を持ち、その中で生活をする。
ヒマリは毎日アバター画面を表示して吉田先輩を動かして生活させていた。
「先輩のイメージカラーは青だから、アバターの部屋の壁紙は青で決定! 家具はクリーム色にして吉田先輩の優しいイメージを出して」
学校内ではスマホの使用を禁止されていたけれど、アバターだけはやめることができなかった。
だって、今この時間に吉田先輩がなにをしているのか想像して、それをアバターに実行させるのが面白くて仕方ない。
今の時間は授業中だから、アバターも学校に行かせなきゃ。
授業中にこっそりスマホを取り出して先生にバレないように操作する。
「ヒマリ、最近サッカー部の見学行ってないじゃん?」
いつもどおりスマホでアバターをいじっていると、友達の佳子ちゃんがそう声をかけてきた。
「うん」
「なんで? 吉田先輩、ヒマリがいなくて寂しいって言ってたよ? もしかしたら脈アリなんじゃない?」
「へぇ、そうなんだ」
あれだけ熱心に応援していたサッカー部だけれど、そんな時間があればアバターで遊んでいたい。
ヒマリはそう考えて放課後はすぐ帰宅するようになっていたのだ。
それから数日後、吉田先輩に呼び出されたヒマリは校庭にやってきていた。
今日はすべての部活動が休みの日だからグラウンドには自分たちしかいない。
「ヒマリちゃん。ずっと僕のこと応援しててくれてありがとう。よかったら、僕と付き合ってくれないかな?」
吉田先輩が一世一代の告白をしたとき、ヒマリはスマホをいじっていたのだった。
最近アプリを使ってアバターを作ることにハマっている。
アバターとは自分の好きな顔、髪色などを決めて作る画面上のキャラクターのことだ。
最初は自分に似せたアバターを作っていたけれど、サッカー部の吉田先輩を好きになってからは吉田先輩に似せたアバター作りに専念するようになった。
「これ、そっくりじゃない!?」
スマホ画面を見つめて満足気に呟くヒマリ。
吉田先輩にそっくりなアバターを作るために一月分のお小遣いをゲームに課金して、アイテムをゲットした。
そのため、画面の中で微笑んでくる彼は吉田先輩の生き写しみたいだった。
「ふふ。これからよろしくね、吉田先輩」
アバターは画面の上で自分の部屋を持ち、その中で生活をする。
ヒマリは毎日アバター画面を表示して吉田先輩を動かして生活させていた。
「先輩のイメージカラーは青だから、アバターの部屋の壁紙は青で決定! 家具はクリーム色にして吉田先輩の優しいイメージを出して」
学校内ではスマホの使用を禁止されていたけれど、アバターだけはやめることができなかった。
だって、今この時間に吉田先輩がなにをしているのか想像して、それをアバターに実行させるのが面白くて仕方ない。
今の時間は授業中だから、アバターも学校に行かせなきゃ。
授業中にこっそりスマホを取り出して先生にバレないように操作する。
「ヒマリ、最近サッカー部の見学行ってないじゃん?」
いつもどおりスマホでアバターをいじっていると、友達の佳子ちゃんがそう声をかけてきた。
「うん」
「なんで? 吉田先輩、ヒマリがいなくて寂しいって言ってたよ? もしかしたら脈アリなんじゃない?」
「へぇ、そうなんだ」
あれだけ熱心に応援していたサッカー部だけれど、そんな時間があればアバターで遊んでいたい。
ヒマリはそう考えて放課後はすぐ帰宅するようになっていたのだ。
それから数日後、吉田先輩に呼び出されたヒマリは校庭にやってきていた。
今日はすべての部活動が休みの日だからグラウンドには自分たちしかいない。
「ヒマリちゃん。ずっと僕のこと応援しててくれてありがとう。よかったら、僕と付き合ってくれないかな?」
吉田先輩が一世一代の告白をしたとき、ヒマリはスマホをいじっていたのだった。



