どこでも同じよ
2月下旬頃、★★小学校の放課後の教室内で、女の子たち4人が集まって怖い話をしていた。
「この学校って昔は墓地だったんだって!」
「うっそ、それ本当?」
「本当だって! だから丘の上に建ってるっておばあちゃんから聞いたんだから!」
その話にヨリコは背筋が寒くなるのを感じた。
自分たちが昔の墓地の上で勉強をしたり、給食を食べたりしていると思うとぞっとする。
「昔って土葬だったよね? 骨とか、まだあったりするのかな?」
「全部を移動させるのは大変だから、まだ残ってるんじゃない?」
友人たちはキャアキャア盛り上がる。
だけどヨリコはこれ以上話を聞くのが怖くて3人を置いて立ち上がった。
「わ、私先に帰るね」
早口に言ってランドセルを素早く背負うと、教室を出たのだった。
「ふぅ、怖かった」
家が見えてきた頃、ヨリコはようやく安心してため息を吐き出した。
教室から出た後もずっと後方から骨になった昔の人たちが追いかけてくるんじゃないかと怖くて仕方なかったのだ。
早く帰ってネコのミケに癒やしをもらいたい。
「おかえり」
リビングへ向かうとお母さんが洗濯物を畳んでいた。
ヨリコは洗面所で手を洗ってから、すぐに近づいていく。
「今日みんなが怖い話してたの」
「へぇ、どんな?」
「学校が建っていた場所は昔墓地だったんだって! 今でも骨が埋まっているかもしれないって!」
興奮気味に説明したけれど、お母さんはぷっと吹き出して笑い始めた。
「そんなことを言っていたら昔はあちこちで人が死んでいたのよ? どこで誰が死んだのかなんて、わからないんだからあちこち墓地と言ってもいいんじゃない?」
「えぇ!? そうなんだ?」
「そうよ。昔の昔のそのまた昔のことなんて、誰にもわからないんだから」
そう言われれば確かにそうだった。
この家がある場所で大昔誰かが死んでいても不思議じゃない。
「なぁんだ、そっか」
そんなことで怖がっていた自分がちょっと恥ずかしくなって、コタツに両足を突っ込んだ。
すると足に柔らかなものが触れた。
それが自分の足裏を撫でるように左右に揺れる。
「ちょっとミケくすぐったいよ」
クスクス笑いながら言ったとき、後方から「ニャア」と鳴き声が聞こえてきた。
振り向くとリビングのだドアからミケが入ってくるところだった。
「え?」
目を丸くしてコタツの中を覗き込むと、床下から無数の青白い手が伸びて私の足を触っていたのだった。



