制服
「やば! 遅刻じゃん!」
朝ベッドで目を覚ますと7時を過ぎていた。
家から桃見高校までは電車で30分かかるから、もう朝食を食べている時間もない。
大慌てでベッドから飛び出してクローゼットを開き、制服に袖を通す。
「あれ? 少し太ったかな?」
鏡の前でスカートを履いていると、窮屈になっていることに気がついて顔をしかめた。
まぁいっか。
今は育ち盛りだし、食欲もあるから太っても仕方ない。
それよりも今は時間がない!
サイズが合わないスカートを無理やり履いて、カバンを掴んで部屋を出た。
バタバタと階段を駆け下りてそのまま玄関へ一直線。
「愛美、待ちなさい!」
リビングからお父さんが出てきて青くなった顔で私を引き止めた。
もう時間がないのにこんなときに引き止めるなんて。
「なによお父さん?」
朝ごはん食べなさいとか、お弁当を持っていきなさいとか、そういったことだろうと思って睨みつけた。
だけどお父さんは青ざめたままジッと私を見つめてなにも言わない。
「ちょっと、本当に遅刻しちゃうんだけど?」
「愛美、お前はなんて恰好を」
そう呟いたお父さんはどうしてか泣きそうな顔をしていた。
「さっきからなに言ってるの? 愛美はお母さんの名前でしょう? 私は美玲よ? 娘と母親の名前を間違えないでよ」
私はそう言い、ため息を吐き出した。
お父さんは目尻の涙を拭うと、私の手を掴んで引っ張った。
そのまま仏間へと移動して仏壇の前にやってくると、そこには私の遺影が飾られていた。
「やば! 遅刻じゃん!」
朝ベッドで目を覚ますと7時を過ぎていた。
家から桃見高校までは電車で30分かかるから、もう朝食を食べている時間もない。
大慌てでベッドから飛び出してクローゼットを開き、制服に袖を通す。
「あれ? 少し太ったかな?」
鏡の前でスカートを履いていると、窮屈になっていることに気がついて顔をしかめた。
まぁいっか。
今は育ち盛りだし、食欲もあるから太っても仕方ない。
それよりも今は時間がない!
サイズが合わないスカートを無理やり履いて、カバンを掴んで部屋を出た。
バタバタと階段を駆け下りてそのまま玄関へ一直線。
「愛美、待ちなさい!」
リビングからお父さんが出てきて青くなった顔で私を引き止めた。
もう時間がないのにこんなときに引き止めるなんて。
「なによお父さん?」
朝ごはん食べなさいとか、お弁当を持っていきなさいとか、そういったことだろうと思って睨みつけた。
だけどお父さんは青ざめたままジッと私を見つめてなにも言わない。
「ちょっと、本当に遅刻しちゃうんだけど?」
「愛美、お前はなんて恰好を」
そう呟いたお父さんはどうしてか泣きそうな顔をしていた。
「さっきからなに言ってるの? 愛美はお母さんの名前でしょう? 私は美玲よ? 娘と母親の名前を間違えないでよ」
私はそう言い、ため息を吐き出した。
お父さんは目尻の涙を拭うと、私の手を掴んで引っ張った。
そのまま仏間へと移動して仏壇の前にやってくると、そこには私の遺影が飾られていた。