そういえば、前にも同じようなことがあったっけ。
あのときは、わたしがもらう側だったけど。
最初は、お母さんにダメって言われてるからって、受け取らなかったんだけど、結局もらっちゃったんだよね。
でも、あのときがあったからこそ、今の自分があると言っても過言ではないって思ってる。
だって、あのときの一粒のチョコレートに、わたしは救われたから。
あの出来事があったからこそ、わたしもお菓子でみんなを笑顔にできる人になりたいって思うようになったから。
「おうちの人に怒られそうだったら、捨てちゃっていいよ。おねえちゃんも、ひとつ食べよっかな。お腹空いてきちゃった」
男の子の膝の上にオランジェットの袋をひとつ乗せると、自分用にもうひとつ袋を取り出し、さっそくぱくりっ。
「はぁ~、おいしい。おねえちゃんのチョコレートの先生ね、とーっても上手なんだよ。ちょっと怖いけど、でもね……多分、すっごくあったかい人」
……って、わたしはなんで知らない子にこんな話しちゃってるんだろ⁉
「ご、ごめんね。今のは忘れて」
急に恥ずかしくなって、わたしは笑ってごまかした。
「ふぅん。おねえちゃん、その先生のこと、好きなんだ」
「す⁉ そんなんじゃないってば!!」
「そーいうのはな、素直になった方がいいんだぞ」
男の子がニヤリとする。
なんなの、もうっ。ちょっと元気になったと思ったら、生意気なことを言うんだから。
あのときは、わたしがもらう側だったけど。
最初は、お母さんにダメって言われてるからって、受け取らなかったんだけど、結局もらっちゃったんだよね。
でも、あのときがあったからこそ、今の自分があると言っても過言ではないって思ってる。
だって、あのときの一粒のチョコレートに、わたしは救われたから。
あの出来事があったからこそ、わたしもお菓子でみんなを笑顔にできる人になりたいって思うようになったから。
「おうちの人に怒られそうだったら、捨てちゃっていいよ。おねえちゃんも、ひとつ食べよっかな。お腹空いてきちゃった」
男の子の膝の上にオランジェットの袋をひとつ乗せると、自分用にもうひとつ袋を取り出し、さっそくぱくりっ。
「はぁ~、おいしい。おねえちゃんのチョコレートの先生ね、とーっても上手なんだよ。ちょっと怖いけど、でもね……多分、すっごくあったかい人」
……って、わたしはなんで知らない子にこんな話しちゃってるんだろ⁉
「ご、ごめんね。今のは忘れて」
急に恥ずかしくなって、わたしは笑ってごまかした。
「ふぅん。おねえちゃん、その先生のこと、好きなんだ」
「す⁉ そんなんじゃないってば!!」
「そーいうのはな、素直になった方がいいんだぞ」
男の子がニヤリとする。
なんなの、もうっ。ちょっと元気になったと思ったら、生意気なことを言うんだから。



