***
ぐすん、ぐすん……。
駅の近くの公園の前を通りかかったとき、すすり泣くような声がどこからか聞こえてきた。
公園の中を見ると、ランドセルを背負った男の子が一人、顔をうつむかせてブランコに座っている。
小学校中学年くらいかなぁ?
どうしたんだろう?
しばらく立ち止まったまま悩んだ末、わたしはゆっくりとその男の子に近づいていった。
「どうしたの? どこか痛い?」
男の子の前にしゃがんで尋ねてみたけど、ぶんぶんと首を左右に振るばかり。
うーん……こういうときって、どうすればいいんだろう?
その子をなんだか一人にできなくて、わたしは隣のブランコに腰かけた。
しばらくの間、その男の子の隣で小さくブランコを揺らしていると、男の子がぽつりぽつりと話しはじめた。
「……絶対にオレじゃないのに、オレが学校の花壇をめちゃくちゃにしたって、みんなが言ってくるんだ」
「そうなの?」
男の子が、への字口でこくりとうなずく。
「サッカーボールが花壇の手前んとこに飛んでってさ。それ取りに行ったとき、オレ、花壇からネコが逃げてくとこ見たんだ。だから、犯人は絶対アイツなんだよ! でもみんなは、オレがサッカーボールで花壇をぐちゃぐちゃにしたって言うんだ。絶対に違うのに……」
ブランコの鎖をぎゅっと握りしめる男の子の目に、涙の粒が膨らんでくる。
ぐすん、ぐすん……。
駅の近くの公園の前を通りかかったとき、すすり泣くような声がどこからか聞こえてきた。
公園の中を見ると、ランドセルを背負った男の子が一人、顔をうつむかせてブランコに座っている。
小学校中学年くらいかなぁ?
どうしたんだろう?
しばらく立ち止まったまま悩んだ末、わたしはゆっくりとその男の子に近づいていった。
「どうしたの? どこか痛い?」
男の子の前にしゃがんで尋ねてみたけど、ぶんぶんと首を左右に振るばかり。
うーん……こういうときって、どうすればいいんだろう?
その子をなんだか一人にできなくて、わたしは隣のブランコに腰かけた。
しばらくの間、その男の子の隣で小さくブランコを揺らしていると、男の子がぽつりぽつりと話しはじめた。
「……絶対にオレじゃないのに、オレが学校の花壇をめちゃくちゃにしたって、みんなが言ってくるんだ」
「そうなの?」
男の子が、への字口でこくりとうなずく。
「サッカーボールが花壇の手前んとこに飛んでってさ。それ取りに行ったとき、オレ、花壇からネコが逃げてくとこ見たんだ。だから、犯人は絶対アイツなんだよ! でもみんなは、オレがサッカーボールで花壇をぐちゃぐちゃにしたって言うんだ。絶対に違うのに……」
ブランコの鎖をぎゅっと握りしめる男の子の目に、涙の粒が膨らんでくる。



