「なら、今は特進科にいるべきだと、父さんは思う。特進科でしっかり勉強をしていれば、どんな道だってこれから選ぶことができる」
「でも……」
「心愛が、どうしてもお菓子作りの道を選びたいのなら、高校より先——そうだな、高校卒業後に専門学校に通うことだってできる」
「あなた! それじゃあ——」
なにか言いたげなお母さんを、お父さんが手で制する。
「心愛が、自分でやりたいことを見つけたのは、とてもいいことだと思う。けど、心愛のために、ひとつだけ言わせてほしい。将来進むことのできる道は、できるだけ広い方がいい。今はまだ、狭めるべきじゃない」
お父さんの言ってることはもっともだと思う。
けど……。
「じゃあ、お菓子以外の勉強もちゃんとすればいいってこと?」
お父さんの目をしっかりと見て言う。
「ちゃんと今までと同じくらい勉強もするよ。だったらスイーツ科の転科試験、受けてもいい? ううん。受けさせてください。お願いします!」
頭を下げたまま、無言の時が過ぎていく。
お父さんたちが困惑してるのが、手に取るようにわかる。
「その試験は、受けたあとに辞退することもできるの?」
小さなため息を吐いたあと、お母さんがわたしに尋ねる。
「でも……」
「心愛が、どうしてもお菓子作りの道を選びたいのなら、高校より先——そうだな、高校卒業後に専門学校に通うことだってできる」
「あなた! それじゃあ——」
なにか言いたげなお母さんを、お父さんが手で制する。
「心愛が、自分でやりたいことを見つけたのは、とてもいいことだと思う。けど、心愛のために、ひとつだけ言わせてほしい。将来進むことのできる道は、できるだけ広い方がいい。今はまだ、狭めるべきじゃない」
お父さんの言ってることはもっともだと思う。
けど……。
「じゃあ、お菓子以外の勉強もちゃんとすればいいってこと?」
お父さんの目をしっかりと見て言う。
「ちゃんと今までと同じくらい勉強もするよ。だったらスイーツ科の転科試験、受けてもいい? ううん。受けさせてください。お願いします!」
頭を下げたまま、無言の時が過ぎていく。
お父さんたちが困惑してるのが、手に取るようにわかる。
「その試験は、受けたあとに辞退することもできるの?」
小さなため息を吐いたあと、お母さんがわたしに尋ねる。



