***
「温度確認。それから、氷水につけたままにするな。あっという間に固まるぞ。こまめに氷水から出せ」
「はい!」
放課後になるとすぐ、クロくんの特訓開始。
「だから湯煎にかけたままにするな。こまめに出せ。温度が上がりすぎたらやり直しだぞ」
「はい!」
「温度確認」
「はい!」
必死にクロくんの指示に食らいつく。
わたしも、昨日食べたフォンダンショコラみたいにおいしいチョコレートのお菓子が作れるようになりたいから。
そのためにも、まずはチョコレートとちゃんと仲よくならなくちゃ。
「どうですか?」
テンパリングがちゃんととれているかの確認。
ドッキドッキで結果を待つ。
「固まりが悪いな。ツヤがないし、若干だが白く曇っている。最後温度を上げすぎたな。それから、全体的に攪拌が足りてない。ボウルの出し入れに気を取られすぎず、攪拌もしっかりすること。だが——前回よりは成長している」
「本当ですか……?」
ぱぁっと顔を輝かせるわたしを見て、クロくんが苦い顔をする。
「あくまでも前回よりも成長している、と言っただけだ。まだ合格点には届いていない」
でも、前よりは成長してるんだよね?
はぁ~、よかったぁ~。
「まったく。ポジティブなヤツだな」
喜びを隠しきれないわたしを見て、クロくんが呆れた顔をする。
「次こそ、絶対に合格を勝ち取ってみせます!」
「ああ、ぜひそうしてくれ」
そう言い残すと、クロくんは実習室を出ていった。
また自分の作業をしに行ったのかな?
ひょっとしたら、この前クロくんが個室でやっていたのって、お店の商品作りだったのかも?
「温度確認。それから、氷水につけたままにするな。あっという間に固まるぞ。こまめに氷水から出せ」
「はい!」
放課後になるとすぐ、クロくんの特訓開始。
「だから湯煎にかけたままにするな。こまめに出せ。温度が上がりすぎたらやり直しだぞ」
「はい!」
「温度確認」
「はい!」
必死にクロくんの指示に食らいつく。
わたしも、昨日食べたフォンダンショコラみたいにおいしいチョコレートのお菓子が作れるようになりたいから。
そのためにも、まずはチョコレートとちゃんと仲よくならなくちゃ。
「どうですか?」
テンパリングがちゃんととれているかの確認。
ドッキドッキで結果を待つ。
「固まりが悪いな。ツヤがないし、若干だが白く曇っている。最後温度を上げすぎたな。それから、全体的に攪拌が足りてない。ボウルの出し入れに気を取られすぎず、攪拌もしっかりすること。だが——前回よりは成長している」
「本当ですか……?」
ぱぁっと顔を輝かせるわたしを見て、クロくんが苦い顔をする。
「あくまでも前回よりも成長している、と言っただけだ。まだ合格点には届いていない」
でも、前よりは成長してるんだよね?
はぁ~、よかったぁ~。
「まったく。ポジティブなヤツだな」
喜びを隠しきれないわたしを見て、クロくんが呆れた顔をする。
「次こそ、絶対に合格を勝ち取ってみせます!」
「ああ、ぜひそうしてくれ」
そう言い残すと、クロくんは実習室を出ていった。
また自分の作業をしに行ったのかな?
ひょっとしたら、この前クロくんが個室でやっていたのって、お店の商品作りだったのかも?



