「うん。スポンジもふっかふかだし、クリームの固さもちょうどいいね」
「うまっ」
「どれだけでも食べられそうだね」
「すごくおいしいです」
「えへへっ。ありがとう」
合格をもらえたこともだけど、みんなが笑顔で食べてくれているのが、本当にすごくうれしい。
だって、わたしの作ったスイーツで、みんなを笑顔にするのが夢だったから。
「六等分にしたから、一切れ残ってるね。それはどうするの?」
シロくんが、大皿に残ったケーキを見て、わたしに尋ねる。
「えっと……」
本当は、クロくんにも食べてほしいんだけど……。
「クロなら、上でチョコを作ってると思うよ?」
「⁉」
ば、バレてる⁉
『いらない』って言われちゃうかもだけど。
でも、ちゃんと特訓の成果も見せたいし……。
食べてほしいっていう気持ちと、どんな反応をされるかわからなくて怖いっていう気持ちの間で揺れ動く。
そもそもわたし、ほんの一瞬しか会っていないはずのクロくんのことが、どうしてこんなに気になっているんだろう?
しかも、怒られて怖い思いしかしていないのに。
……ううん、違う。
あれが初対面なんかじゃない。
きっとそうだよ。
顔は見れなかったけど、あのとき職員室でわたしの背中を押してくれたのは、クロくんだったんじゃない?
もしそうだったとしたら……ちゃんとお礼が言いたい。
クロくんのおかげで、一歩踏み出せましたって。
「うまっ」
「どれだけでも食べられそうだね」
「すごくおいしいです」
「えへへっ。ありがとう」
合格をもらえたこともだけど、みんなが笑顔で食べてくれているのが、本当にすごくうれしい。
だって、わたしの作ったスイーツで、みんなを笑顔にするのが夢だったから。
「六等分にしたから、一切れ残ってるね。それはどうするの?」
シロくんが、大皿に残ったケーキを見て、わたしに尋ねる。
「えっと……」
本当は、クロくんにも食べてほしいんだけど……。
「クロなら、上でチョコを作ってると思うよ?」
「⁉」
ば、バレてる⁉
『いらない』って言われちゃうかもだけど。
でも、ちゃんと特訓の成果も見せたいし……。
食べてほしいっていう気持ちと、どんな反応をされるかわからなくて怖いっていう気持ちの間で揺れ動く。
そもそもわたし、ほんの一瞬しか会っていないはずのクロくんのことが、どうしてこんなに気になっているんだろう?
しかも、怒られて怖い思いしかしていないのに。
……ううん、違う。
あれが初対面なんかじゃない。
きっとそうだよ。
顔は見れなかったけど、あのとき職員室でわたしの背中を押してくれたのは、クロくんだったんじゃない?
もしそうだったとしたら……ちゃんとお礼が言いたい。
クロくんのおかげで、一歩踏み出せましたって。



