スイーツ王子は甘くない⁉

「なあ、誰を選ぶんだよ。もちろんオレだよな?」

「ボクだよね、心愛ちゃん?」

「日本人なら、もちろん僕ですよね?」

「トップバッターは誰かに譲ろうかと思ったけど、やめた。やっぱり一番好きなものから作るべきだよね?」

「「「「さあ、誰を選ぶ(んです)?」」」」


 誰を……って。なんか趣旨が変わってません⁉


 イケメン四人にぐいっと詰め寄られ、じりっと後ずさりしたわたしは、ぎゅっと目を閉じ、人差し指を突き出した。


「こ、この人でお願いします!」

「よっしゃ、トップバッターはオレに決定!」

 エンくんが、ぐっとガッツポーズをする。


「ちょっとエン、ズルしないでよ。今ボクのこと押したでしょ」

 エンくんの隣にいたイチゴくんが口を尖らせる。

「押してねえよ。言いがかりつけんなよな」


「え、えっと、じゃあ焼き菓子の次は、ケーキがいい、かなぁ」

「うんっ、喜んで」

 途端に満面の笑みを浮かべるイチゴくん。


「なら、その次はぼくとクロと一緒にチョコレートの特訓をしようか」

「う、うん。よろしくね、シロくん」


「では、最後は僕ですね。あとがない分、ゆっくりじっくり特訓しましょうね」

 そう言って、アズくんが優しい笑みを浮かべる。