「待て。こいつの転科はまだ決まったわけじゃない。試験に合格しただけで、今後のことは要相談だと聞いている。そうだな?」
「はい。両親と先生と話し合って、これからのことを決めることになっています」
「あぁっ! そういや、この子、見覚えあるわ。たしか、新入生の代表あいさつしてた子だろ」
「おお。すげー頭いいんだな!」
「それは、特進科の先生が離したくないわけだ」
「転科の件はこれからだが、とりあえず今日は、スイーツ科の校舎を案内するようにと、先生に言付かってきた」
「そうだったんですね。ありがとうございます」
「涼真の知り合いみたいだし。ここはひとつ、涼真におまかせしちゃいますか?」
そう言って、琉生先輩がクロくんに向かってウインクする。
「俺一人に仕事を押しつけようとするな」
「まったく。気を利かせてやろうっていう僕らの優しさがわからないの?」
琥太郎先輩が小さくため息を吐く。
「ってことで、あとはよろしくな、涼真」
「あ、おい、ちょっと待て……」
クロくんが呼び止めるのもムシしてさっさと三人は出ていってしまい、実習室の中がしんと静まり返る。
「ったく。あいつら」
クロくんが、わしゃわしゃと髪をかき混ぜる。
「……それじゃあ、さっさと行くぞ」
「はい。よろしくお願いします」
なんとなく気まずい。
泣いてるところを見られちゃったし、理由を聞かれたらどうしよう……。
「はい。両親と先生と話し合って、これからのことを決めることになっています」
「あぁっ! そういや、この子、見覚えあるわ。たしか、新入生の代表あいさつしてた子だろ」
「おお。すげー頭いいんだな!」
「それは、特進科の先生が離したくないわけだ」
「転科の件はこれからだが、とりあえず今日は、スイーツ科の校舎を案内するようにと、先生に言付かってきた」
「そうだったんですね。ありがとうございます」
「涼真の知り合いみたいだし。ここはひとつ、涼真におまかせしちゃいますか?」
そう言って、琉生先輩がクロくんに向かってウインクする。
「俺一人に仕事を押しつけようとするな」
「まったく。気を利かせてやろうっていう僕らの優しさがわからないの?」
琥太郎先輩が小さくため息を吐く。
「ってことで、あとはよろしくな、涼真」
「あ、おい、ちょっと待て……」
クロくんが呼び止めるのもムシしてさっさと三人は出ていってしまい、実習室の中がしんと静まり返る。
「ったく。あいつら」
クロくんが、わしゃわしゃと髪をかき混ぜる。
「……それじゃあ、さっさと行くぞ」
「はい。よろしくお願いします」
なんとなく気まずい。
泣いてるところを見られちゃったし、理由を聞かれたらどうしよう……。



