スイーツ王子は甘くない⁉

「それ、わたしが作った……」


「オレのも」

「ぼくのも」

「僕のも、心愛さんが持っていてください」


 みんなから受け取ると、ぎゅっと握り締める。


「ねえ、もう会えないなんてこと、ないよね? これからも、一緒に勉強できるんだよね?」

 思わず声が震えてしまう。


 目の前に立つシロくんが、ゆっくりと首を左右に振る。

「ぼくたちの役目はここまでだよ。今の心愛ちゃんなら、大丈夫」

 シロくんが力強く言って、にこりと笑う。


 そんなシロくんの顔が、涙でにじんで見える。


「やだよ。一人じゃムリ。これからも、わたしにいろいろ教えて」

「もう僕たちから心愛さんに教えられることは、なにもありません」

「そんなイジワル言わないで!」

「もうさすがに察してるんだろ?」

「……」

「いつだってボクたちは心愛ちゃんの味方で、ずっとずっと一緒にいるよ」