「うちの学校では、ベル候補からベルになったことは誰もが知ってると思うが、世間ではまだベルは公表してない」


「それは…どうして」


「普通なら、ベル制度は野獣の檻で幹部と過ごし、ベルが幹部に愛を与え幹部はベルを全力で守る…けど、隼太は別」



それを聞いて、自分がどれだけ甘やかされていたのか思い知った。


普段通りの生活を許してもらって、幹部に愛を与えるなんてそんな仕事私はしていない。



仕事放棄もいいとこだよね。




「あいつには敵が多い。だから、あいつの大切なものから壊そうとするやつがいるから、おまえの存在は隠してた」



「黒金会を裏切ったからだよね?」



「それだけだと語弊はあるが───」


「晴人。喋りすぎ」




晴人くんの言葉を遮るのは、初めて会った時に戻ったような瞳を持つ隼太くん。



どうしよう…今間近で隼太くんを見れない。



さっきの獲物を狩る姿がフラッシュバックされる。