「まだ困惑してるとこ悪いが、俺たちがくる前に何が起こったのか説明してくれるか?」
「う、うん…」
晴人くんの問いに私は、森川くんのお見舞いに行ってその病院から出たところから話していった。
青鷺火の人達につけられて、なるべく大通りを選んで逃げていたけどそれが罠で…
正面に黒金会が待ち受けていたこと。
私を守るように戦ってくれていて、確か私が突き飛ばされてそれを抱きとめた男に怒っていたこと。
「…事情はわかった」
「晴人くん、黒金会の人が隼太くんは裏切り者って言ってた」
否定してほしい、私を動揺させるための口実だから気にするなって言ってほしい。
そう思って口にした返答は、あっさり裏切られる。
「残念だが本当だ。」
「え?」
「ベルであるおまえにはもう、言ってもいいかもな」
晴人くんは、輝くんと颯くんを見て一息つくとそのまま私へスライドする。
普段鈍いと言われている私でも今から、重大なことを話すのだと察しがつくほど空気が重くなった。


