「颯!ななせのこと頼んだ。俺は隼太を落ち着かせるからそれまでひとりでやれるか?」
「やるしかないでしょこの状況。なあちゃんには指1本触れさせないから」
輝くんは、私の方まで来ないように上手く攻撃を交わしていく。
晴人くんは、拳を振り上げることをやめない隼太くんに向かって何かをすると途端崩れ落ちた。
「大丈夫、あれ暴走を落ち着かせる鎮静剤だから」
「私あれだけ隼太くんのそばにいたのに、何も知らなかったんだね」
「隼太くんは、過去の自分を知られるのを恐れてる。それが大切な人であればあるほど…」
「でも…私は、普通の生徒じゃなくて愛を教えて人の本質を見極めるベル」
だから、本当は怖がってる場合じゃない。
冷静に考えて隼太くんを止めるべきだった。
…それなのに、黒金会の人の言葉に惑わされて自分を見失いかけてたのが悔しい。
『口にしてはいけない』
その思いで踏みとどまっているけど…


