獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める




「なあちゃん、裏門まで送るよ」


「ありがとう!」




朝、イレギュラーなことが発生して大変だったけど、無事乗り切ってHRが終わった放課後。



教室から裏門までは歩いて15分程かかる道のりを、輝くんと二人で進む。





「隼太クン意外に独占欲強いね?純粋な子にこーんな恥ずかしい痕つけちゃってさ」


「…そういえば輝くんさ、私が教室行く前からそれ知ってたよね?」





輝くんに限らず、つけた張本人と晴人くんと颯くん。

幹部室を出る前のあのやり取り…今ならわかる。


私が気づかないのをいいことに黙って見送って、晴人くんなんて悪事をはたらいた少年のように、どうせ笑ってるんだ。





「男はね、好きな子には意地悪してその恥ずかしいがってる顔を見たくなるもんなんですよ」



「あ、え?好きな子…?」



「そ、隼太くんに限らず俺たちは眩しいくらい真っ直ぐで、心から俺たちが獣じゃないと言うなあちゃんが可愛くて仕方ないの」




幹部の事で悩んでいる時に、いつも助けてくれる輝くんなら教えてくれるかもしれない。



どうして獣と呼ばれているのか、どうして自分を獣だと思っているのか。




「ねえ、輝くん。どうしてみんな隼太くん達を獣と呼んでそれを受け入れてるの?」



「んーそれぞれ理由はあるけど…みんな共通するのは愛を知らないどこか欠落してるからかな」