違うこと考えよう!
まず、あれだけ授業に出たいと言ったんだから集中しなければなんだけど、男の子とこんな近い経験なくてどうしても意識がそっちにいってしまう。
気を紛らわすために今日の夜だ!
今日の夜の回避方法を考えないと。
隼太くんは朝が絶望的に弱くて、寝起きはもう今日で懲りてる。
それなのに、夜私なんかがお邪魔したら余計に明日の朝が思いやられる気が…。
・
……そうだ!
朝すぐに起きれるような質の良い睡眠をとればいいのでは…?
こうなったら眠くなる本を紹介しよう!
どの本を紹介しようか考えていれば、意識は完全に本に移りかわっていつの間にか授業が終わっていた。
「ちょ、七瀬どうやって野獣の檻から出てこれたの!?」
「落ち着いて里菜ちゃん、これには色々事情があってわがまま聞いてもらったの」
元々くりくりした大きな瞳を更に大きくして、私の机に駆け寄ってきた。
ちなみに、隣の颯くんは女子たちが我こそはと取り囲み、質問攻めをくらっている。
す、すごい人気…!
ほんとに鳳凰の幹部はすごいのだと改めて実感した。


