素直に謝ることを吉だと判断した。
これからも教室まで付き添ってくれるかもしれない人が減っちゃったら、行けない日も出てきそうだから。
「手のかかる女、しょうがねえから貸しねこれ」
貸しという言葉に疑問符が飛び交っているけど、そのまま様子を見ることにした。
「うちの大切なベルが授業受けたいみたいだけど、目立ちたくないんだって。だから、いつも通り…でお願いできるかな?」
私の時とは口調も変わって、しかも、な…なに、眩しいくらいのその笑顔、スマイル…!
私、昨日からいるのに初めて見たよ!?
教室では、颯くんが主導権を持っていてそのお願い通り、特に騒ぐことなく席につくことができた。
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席につくことができた……
のだけど、あきらかにいつもと不自然な光景が広がる。
「は、颯くん、無理に私の隣に机持ってこなくても……」
「持ってきたの俺じゃないの見てたでしょ」
そう、私の学校は2列でぴったり机をくっつけてスタイルでなく、一つ一つの机が間隔が空いている。
つまり、机がぴったりくっつくことはないはずなのに、私のとこだけ間隔がない異例な状況だ。


