うーん…隼太くんの部屋の前に来たものの…
晴人くんの言う通り部屋へ入っていいものか悩み立ち尽くしていた。
部屋ってプライベートが詰まっているから、容易に開けられるものじゃない気がする。
とりあえずドアをノックして声をかけてみることにした。
「は、隼太くん…?朝…、だよ?」
「…」
だめだ、全然物音がしない。
もう一度強くドアをノックするけど起きる気配が全くなかった。
んー…、やっぱり晴人くんの言う通り開けるしかない…?
仕方ない…私がここから出れる機会を失うわけにはいかない!
「失礼しまーす…」
恐る恐る部屋へ入ると、思った以上にシンプルで…違う、生活感がないほんとに寝るだけの空間だった。
そっと近づくと、長いまつ毛に美しい影をつくった寝顔がそこにある。
見惚れてしまうほど綺麗で、目を離せばどこかへ消えてしまいそうなほど儚い。


