会話もやっとキリが良くなって、教室へ向かう。




「じゃあ、私時間だから教室に行くね?」


「なあちゃんまーだわかってないんだ?ベルは俺たちと常にいなくちゃいけないんだよ」


「や…私、授業出ないと点数とれないしこんなところにずっといたら気がおかしくなりそう…!」


「なあちゃんって真面目で素直で、自分の気持ちちゃあんと言うよね」




確かに…思ったことはちゃんと言う。

じゃないと里菜ちゃんにも会えずになってしまいそうだから。



それだけは何としても避けたい。




「教室に行かせてくれる方法がないわけでもねーよ」


「え!晴人くん教えて!」




「ベルの仕事で肝心なことがある。“毎日”、隼太を起こすこと。あいつを起こして説得すれば俺たちはおまえを止めねえよ」


「つまり、今起こして隼太くんがいいよって言えばいいんだよね?」


「そうなるな。ちなみに寝てる時のあいつ耳が悪いから必ず部屋に入った方がいい」


「教えてくれてありがとう、晴人くん!」





面倒くさがりで、ポーカーフェイスの彼がなにかを企んでいるように意地悪く笑っているのに気づかずに…


私はるんるんで奥の部屋へと向かって、隼太くんを起こすことの大変さを知るのだった。