「別に変わんなくね?あんた普通に可愛いんだから…」
「ごめん颯くん、最後聞き取れなかった」
「…っ!ポンコツ相手に誰も欲情しねえって言ったんだよ!」
最後声が小さいからじゃんって言いたかったけど、その後を想像すると恐ろしくてそのまま留める。
「颯が女にこんな素を出すの珍しくねえ?」
「それおれも思った。いつもなら、おれよりも笑顔を貼り付けて愛想振りまいてるのに」
「え?そうなの?私…颯くんが笑ってるところ見たことないかも」
晴人くんと輝くんの会話に入らずにはいられなかった。
私昨日からずっと威嚇しかされてないんだけど…。
でも犬系の癒しタイプの容姿だから、笑ったらすごく可愛くてモテるんだろうなって思う。
「あんたは聞くな、見なくていい」
颯くんは、私の耳を塞ぐ。
何故か顔が赤くなっていた。


