今日私が履いてるショーツ!
「み、見ないで…っ!」
「見せられたんだけど」
「言わなくたっていいじゃん!…もう、やだ…」
恥ずかしさでじわっと目の縁に涙が溜まる。
昨日からずっとやらかしてばかりで情けない…。
「…たく、ほんと手がかかるやつ。ほら、泣かない。手繋いであげるから、立てる?」
軽々しく私を持ち上げて立たせてくれる。
隼太くんがリードしてくれたおかげでその後は転ぶことなく、寮へたどり着いた。
「荷物貸して持つから」
「え、でもそんなに重くないよ?」
「また転んで俺に見せてくれんの?」
ほら貸してと言って私から荷物を奪い取る。
空いている片方の手はしっかりと私の手を握って。
「隼太くん」
「なに?」
「あ、ありがとう…」
「ん」
私の手を繋ぐ彼の手は、暖かくてどうして“獣”なのかまだわからなかった。
少なくとも私は、皆か言う冷酷無慈悲な獣ではなく、荷物を持ってくれた優しさ…
普通の人と同じく笑う彼は人間だと改めて感じた。


