旧校舎を出る途中、明かりがない真っ直ぐな廊下。
既に繋がれた手は離れていて、月の光を頼りながら私の部屋がある寮へ向かう。
「…は、隼太くん?いる?」
「ちゃんといるよ」
うん、隼太くんがいるから怖いけどまだ大丈夫。
自分に思い込ませて先を急ぐ。
「いなくなったりしないでね?ちゃんと私のそばにいてね」
「急にかわいいおねだりしてくるじゃん」
「だ、だって怖いんだもん…きゃあっ!?」
隼太くんのほうへ振り向こうとして自分の足に躓く、ドジを今私はしました。
冷たい廊下の床に倒れた私。
「へえ、ピンクのレースね」
ピンクのレース…?
何を言ってるんだろうと考える隙もなく理解する。


