ここで私の意見は通らない。
断って逃げても必ず、追い求めただでは済まされないと思う。
なら…私に残される道はベルになるしかない。
もしかしたら幻滅して彼の方から解放してくれるかも。
それまで、私がなると決めたから最後までしっかりやる。
「ベルに…なります」
「賢明な判断、えらいね七瀬」
隼太くんが微笑んでその顔に一瞬ドキッとしたのは、ここだけのハナシ。
覚悟を決めたその時、薔薇の花びらが1枚散ったようなきがした。
「なに見惚れてんだよポンコツ」
「あの…颯くん。一応確認なんだけど、ポンコツって私だよね?」
「他に誰がいると思ってんの?」
や、やっぱり怖い…。颯くんには絶対迷惑掛けないようにしなきゃ。
「迷惑掛けないように頑張るね?…あはは」
「なあちゃん、颯クンは照れてるだけだからそんな気にしなくていいよ?」
「余計なこと言うなよ輝くん」


