「おろしてください!」
「おい、このまま落とされたくなかったら暴れんな。着いたらおろしてやるから」
「それじゃあ遅いんです!」
「なーに言ってっか聞こえねえ」
その返し絶対聞こえてるじゃん!
やる気なさそうなのに強引すぎる…!
このままだと無理やり旧校舎に連れてかれて、ベル候補となってしまう。
それだけは絶対に避けたい。
考えるのよ七瀬…っ
「ねえ、あの!ベルになりたい子は他にたくさんいると思うんです!全然私、譲りますから」
「あのなあ読書ばか。さっきも言ったがおまえに拒否権はない。王様の言ったことは絶対」
「そ、そんな…横暴すぎます!しかも、読書ばかって初対面の人に言う言葉じゃないです…」
「ベル候補で迎え行くって言ってんのに本屋に逃げ出すなんて、読書ばかだろ?うちの王様の命令に背いたんだからそれなりの覚悟はしとけ」
そう言われてしまうと、仰る通りすぎて何も言えない。
嗚呼、神様…
なぜこのタイミングで私を暇つぶしとして遊んでいるのでしょう。
最悪、退学ありえるかも、しれない。
ベル候補逃げただけで退学なんて嫌すぎるし、今どうしても我慢ならないのがこの体制!


