てことは、私がここに逃げたことがバレてる…!?

店長の後からスラッとした高身長で、綺麗に染まっている白銀の髪を揺らす男の子が入ってきた。




「あー話を聞かずに逃げ出したベルはお前か。やけに手がかかるな?」


「どうしてここが?」



長い足が1歩また1歩と、獲物を狙うように近づき私を追い詰める。


逃げるように後退るけど、背に本棚が当たって逃げ場を失ってしまう。




「どこの誰かも知らない女をベル候補として迎えるほど馬鹿じゃない。おまえのこと調べさせてもらった。昨日南高のやつにビンタしたのおまえだろ?」


「私は…ベルにはなれません!他を当たってください」


「おまえに拒否権はねえよ。うちの王様が来いって言ってんだから来るんだよ。じゃないと俺が怒られる」


「うわぁ!?」



視界は地面が映っていて、肩に担がれたと理解するのにそう時間はかからなかった。



「すでに怒られて来たんだからもう逃がさねーよ。このまま行くから大人しくしててくださーい」



話し方を思い出すとさっき放送した人に間違いない。


このやる気のなさ、面倒くさそうで話し方の特徴が身体全体に出てる…。