獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める

***



「隼太くん、お誕生日おめでとう!私からプレゼントが2つあるの」

「充分貰ってるけど」

「隼太くんは自分に無頓着すぎ。もっともっと幸せになってほしい」

「…───」



家へ帰ってみんなでご飯を食べ終わったあと、部屋にプレゼントを取りに行って隼太くんの部屋にいる。


3人はニヤニヤしていたけど、私は緊張していてそれどころではなかった。


「絶対似合うなって思って買ったの」


私は、正方形のラッピングされた箱を渡す。


「開けていーの?」

「開けて欲しい」



私が買ったのは、シルバーのチェーンブレスレット。

ブルベよりの彼の肌に映えて、デザインも可愛いから一目惚れした。


手に取ったブレスレットを私が、隼太くんの手首につけてあげる。



「うん…やっぱり似合うね!」

「ありがとう、七瀬。一生大事にする」

「…っ!」


隼太くんは、私を見ながらブレスレットにキスを落とした。

一つ一つの仕草に色気があって未だに慣れない。

というより、慣れる気がしない。


…この後が本命。
ずっと悩んで考えた。


緊張して恥ずかしくて、耳で囁かれるのすらドキドキしているのに。

それ以外のことが私にできるのかって。


でも、隼太くんに喜んでほしい、私も…もっと隼太くんに触れて欲しい。



「…七瀬?」

「本命のプレゼントは…」


深く息を吐いて、彼を見上げた。



「私を貰ってください…っ」

「───…っ」



隼太くんは、目を見張って動かなかった。

その反応に引かれているのか、意味が伝わらなかったのかわからなくて不安になる。