獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


そう言いながら自分が食べるみたいに、トマトのヘタを摘んで隼太くんの口元へ持っていって気づく。


ミニトマトのチョイスかなり良くないというか、なんで私手で取ったかな!?


隼太くん口開けて待ってるというか、もうちょっとで食べられる…!



「ま、待って…箸でとるから!」


トマトを持っていた腕を下げようとすれば、隼太くんはその手を掴んでそのまま自分の口元に持っていった。


「ひゃ…は、隼太くん!?」



わ、私の指まで食べてトマトと一緒に転がされてる。

心臓の音が聞こえちゃいそうなくらい、バクバクして胸が苦しい。


真っ直ぐに私を見て、恥ずかしくて逸らしたいのに何故か逸らせなくて…



「悪い、お前が可愛すぎて意地悪しすぎた。じゃあ、いただきます」

「う、うん…!お口に合うといいな」



数十秒含まれていた指は、甘く熱がこもっている。

隼太くんは何事もなかったかのように、手を合わせたあと、私が作ったオムライス弁当を頬張った。



「美味い…!今までのオムライスでお前が作ったのが世界一」

「ほんと!?頑張って良かった」

「あいつらに料理しないでね」

「あいつらって晴人くんたち?」

「そう、七瀬の手料理は俺だけが食べる」



こうしてふと出される独占欲が嬉しいって思う私は、やっぱり重症なんだなと思った。


隼太くんはもぐもぐ食べてくれて、本当に作って良かったと嬉しくなる。


2人の時はお弁当を私が作って一緒に食べる、それを日常化しよう!