獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める

3人は、新しい玩具を見つけた子供のように、ニヤニヤ詰め寄ってきた。


「絶対今、ヘンなこと考えてただろ。ほら、おにーさん達に言ってみ?」

「なあちゃん照れちゃってかーわいい」

「俺ら男だからそーゆーの相談乗れるし?」


3人とも完全に面白がってる…!
しかも、前方を3人が囲んで背後は壁にくっついて逃げる場所を失った。

いくら、否定しても余計に揶揄われるのがオチだ。


やりたいことは沢山あるけど、隼太くんの誕生日は生憎学校があって、夕方からのお祝いになる。



その限られた時間で、好きな人に喜んでもらえるプレゼントを考えれば考えるほど、心の奥がじんわり熱くなる。


そんな私を見て、3人は顔を見合わせた。


そして───


「なるほどね?」

晴人くんが顎に手を当てる。


「大丈夫、隼太クンなら大人の階段をゆっくり登っていってくれるよ」

意味深なことを言う輝くん。


「…なな、頑張れよ」

肩をぽんと叩く颯くん。


「な、なにその察したよみたいな空気!」

「おまえ顔に出すぎだから。嫌でも察するよ」


晴人くんの言葉に、私は沸騰寸前─いや、もう爆発している。


「ああああ!もう違うってばあ!3人ともばかたれ、でも相談乗ってくれてありがとうバイバイ」


私は顔を真っ赤にしながら、幹部室を出て自分の部屋へと向かったのだ。

3人がケラケラ笑っているのをスルーして!


「くくっ、あいつほんとにおもしれえ。あそこで怒りながらお礼言うのかよ」

「ま、それがなあちゃんのいいとこで可愛いよね」

「ほんとにあんた達性格悪いわ」


私が部屋を出ても笑いは止まらず、話している晴人くんと輝くん。

そして自分のことを棚にあげて言う颯くん。

もちろん私にはその会話は聞こえなかった。