獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


「というか、隼太クンの興味ランキングトップ3が全部、なあちゃんなんだから何しても喜ぶと思うな」


「俺も、輝くんと同感。なながやりたいことをやればいいと思う」


「…私のやりたいこと」


呟いた瞬間、脳裏に“例のTL漫画の大人シーン”がチラッと蘇る。


『七瀬が心の準備出来るまでいつまでも、俺は待つよ』

宣言通り隼太くんは、私を大切にしてくれている。

私から言わなきゃ彼は…


だめ!思い出すのは今じゃない!
七瀬、顔に出しちゃダメなのよ!


そんなことを思い込んでも、免疫のない私にな無理な話で、頬が熱くなるのがわかる。


その表情を見た3人はピタッと動きを止め──


「……え、なにその顔」

眉を眉間に寄せて顔を顰めながら、怪しむ颯くん。


「なあちゃん“えげつない事”考えてる時の顔だよね今」

にんまり弧を描いて輝くんがさらっと言う。


「ま、まま待って!違う、違うから!」


言えるわけない、TL漫画シーン思い出してたなんて。

というか、見たこと自体3人には隠し通したい。


私は慌てて両手を振って、後ずさる。