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「ねえ、今日お前なんかあった?」

「急にどうしたの隼太くん」

「様子が変だから」

「え!?それは気のせい…ということで、自分の部屋行くね」


帰ってからも思い出しては、一人で照れて隼太くんの顔が見れなくて…


誰がどう見ても、様子がおかしいことはわかるはず。


まさか、大人のシーンを見て自分と隼太くんを想像してました、なんて言えない。


「待って。逃がさないよ?」

「え?…うわっ!?」


逃げるようにドアへ向かった私の腕を、掴んで視界が反転する。

気づけば、恐ろしいほど整いすぎた顔に見下ろされて、押し倒されたのだと気づいた。


「やっぱりおかしいよ、なんか俺、七瀬の嫌な事した?」

「ううん!そんなんじゃないから大丈夫!」

「じゃあ俺の目見て。今日あからさまに逸らしてる」

「そ、そうかな…気のせいじゃない?」

「言ってくれないとわかんないから。言うまで絶対離さないよ」