私の後ろにいたはずの隼太くんは、私を抱き寄せて横に立った。
私、少しだけ隼太くんの隣で一緒に戦えてるかな…なんて思う。
「ここは、鳳凰と青鷺火で同盟を結びたい」
前までの彼からは、予想もできなかった言葉だ。
あれだけ、敵対して黒金会と一緒にいた青鷺火の人たちを拒絶して暴走していた彼。
柚木くんが黙り込んでいる中、またまたその静寂を突き破る人たちがきた。
「ななせ!」
「なあちゃん!」
「なな!」
競争でもしているかのように、我こそはと1人ずつしか入れない扉に無理やり入ろうとしている。
「ちょ、颯クン押さないでってば」
「は?なら、輝くんが下がれよ」
「お前ら2人とも俺が1番最初に入るんだよ」
言い合いをしていて、こっちがどれだけ今大事な話をしているかなんて気にもとめていない。
多分、そろそろ隼太くんからお叱り受けそう…。
「同盟組むかは、柚木くんも私がいない方が話しやすいだろうから隼太くん、皆んなのところに行ってるね?」
「帰ったら全員説教ね」
七瀬、お前もだよなんて笑顔で言うから、私も微笑んで逃げるようにみんなのところへ走った。


