だって、今の私たちの会話が旧校舎内に響き渡ってたってことになる。
は、恥ずかしい…っ!
すごく大事な話なのに、それどころではない。
「キミの泣き叫ぶ声を聞かすために、スイッチオンに‘してたんだよね」
真顔で言う幹部の人。ありえないし、最悪すぎる。
隼太くんがきて、安心していた空気をある人がかき消した。
「おい、皇。いつもなら暴走してたお前が、どうして俺を殺さない? お前の大切な女を傷つけようとしたんだぞ」
「心の美しいベルがそれを望まないから。ほんとは大事な七瀬が危ない目に遭ったんだから、一発殴りたいところだけど」
「じゃあ、殴れよ!俺はお前をここで仕留める」
拳を構えて殴りかかろうとする柚木くんの前に、隼太くんが傷ついてほしくないの一心で前に立った。
庇うように両手を広げて…
「怖いくせにでしゃばるんじゃねえよ!そこどけ」
「だめ…っ、やめて!」
ーバチンッ
いつかの青鷺火の人のように、気づけば柚木くんに向かって平手打ちをかました。
今まで感じたことないくらい、殺気で足が動かない。
立っているのが精一杯だった。


