「北の責任者は俺に組長として継がせるために、獣として育てられた。 南を潰して黒金区を支配しろと」



優しい隼太くんは多分それが嫌だったんだろうなと思いながら、続きの話を聞く。

北の責任者は隼太くんの父親なのに、父と呼ばないところが相当嫌なことをされたのだと伺える。




「そして北の責任者は柚木の妻の命を奪い、母さんの命が奪われて連鎖して今。 察しいいお前ならもう気づいてるだろうけど、柚木の息子は青鷺火の総長やってる」



「黒田から話を聞いてるときに何となくそうなんじゃないかとは思ってた」


「さすがベルだね」



隼太くんはその後も話を続けて、恨みあい隼太くんと柚木くんの両親はもう他界してしまったらしい。


残酷で現実ではないと思いたいくらい頭が痛くなる内容だった。



「憎しみの対象がいなくなった今、警察に情報を渡して組織から抜けた裏切り者の俺に憎しみの矛先が変わったってわけ」



その言葉を聞いてホッとした自分がいる。

黒田は、隼太くんを人殺しだと言っていたからけど実際には何もしていなくて、ただ血が繋がっているという理由だった。