私は自分のアカウントを表示させて、先輩に見せた。
「みおって、美しい音って書くんだね。綺麗な名前」
先輩はさらっと言って、自分のスマホを触っている。
先輩は慣れているのかもしれないけど、一切免疫のない私は、まんまと体温を上げている。
「あ、鍵垢じゃん。春瀬、フォローしていい?」
「は、はい」
そう言ってすぐに、フォローリクエストが届いた。
『千翔』
これが、先輩の名前の漢字なんだ。
千に翔るなんて、かっこいい名前。
そう思っても、私は言えないけれど。
スマホを操作していく先輩は、ふと笑みをこぼした。
「本当に、SNS映えとか気にしてないんだね」
「友達に生きてるってことを証明するためのアカウントなので」
「生存確認? 春瀬、もしかして自分の命、粗末にしちゃう人?」
先輩に聞かれて、そう勘違いさせてしまうような言い回しになっていたことに気付いた。
「ち、違います。私、SNSが苦手で、メッセージのやり取りも続けられないんです。その子とは高校も違ったし、私は県外進学だから、ちゃんと元気にやってるか知りたいって言われちゃって」
「なるほどね。このカホって子かな?」
先輩がどうして花帆の名前を知っているのかと思ったけど、私のフォロー欄を見ればすぐにわかると気付いた。
「はい、そうです」
たった二人しかフォローしていないアカウント。
できれば、もう一人については触れないでほしい。
「じゃあ……リクは?」
「みおって、美しい音って書くんだね。綺麗な名前」
先輩はさらっと言って、自分のスマホを触っている。
先輩は慣れているのかもしれないけど、一切免疫のない私は、まんまと体温を上げている。
「あ、鍵垢じゃん。春瀬、フォローしていい?」
「は、はい」
そう言ってすぐに、フォローリクエストが届いた。
『千翔』
これが、先輩の名前の漢字なんだ。
千に翔るなんて、かっこいい名前。
そう思っても、私は言えないけれど。
スマホを操作していく先輩は、ふと笑みをこぼした。
「本当に、SNS映えとか気にしてないんだね」
「友達に生きてるってことを証明するためのアカウントなので」
「生存確認? 春瀬、もしかして自分の命、粗末にしちゃう人?」
先輩に聞かれて、そう勘違いさせてしまうような言い回しになっていたことに気付いた。
「ち、違います。私、SNSが苦手で、メッセージのやり取りも続けられないんです。その子とは高校も違ったし、私は県外進学だから、ちゃんと元気にやってるか知りたいって言われちゃって」
「なるほどね。このカホって子かな?」
先輩がどうして花帆の名前を知っているのかと思ったけど、私のフォロー欄を見ればすぐにわかると気付いた。
「はい、そうです」
たった二人しかフォローしていないアカウント。
できれば、もう一人については触れないでほしい。
「じゃあ……リクは?」



