この恋は、終わらないと思ってた

「じゃあ、帰ろっか」
「あ……もう少しだけ、待ってもらえますか?」


 先輩は不思議そうにしながらも、待ってくれた。
 ただ、立ちっぱなしにさせておくのは申し訳ないと思って、近くのベンチまで移動する。


 この気持ちと写真を家に持ち帰ったら、きっと、私は投稿しない。


 だから、勢いのまま、写真を投稿する。
 メッセージはなにもない。
 どんな言葉がこの写真に適しているのか、考える余裕がなかった。


 すると、一分も経たないうちに、メッセージが届いた。
 凌空だ。


『お幸せに』


 それといいねの通知が来て、私のフォロワー欄から凌空が消えた。


 私の恋は終わってしまったのだと、一気に実感した。
 恋心がまだ消えていないのに、こんな一瞬で終わってしまった。


 徐々に悲しみに染められていって、私の感情は涙として溢れていく。


 先輩はそんな私の様子を伺うように、そっと私の頭に触れる。
 私の身体はすっかり先輩に甘えてしまい、私は先輩の胸を借りて泣いた。