好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「ふ~ん、穂高恋してるんだ」



母さんが穂高の恋愛話を酒のつまみ程度に聞いてる…。



「クリスマス誘いなよ」

「えっ、緊張しません!?」

「してこそ恋愛でしょ。っていうか好きなら好きって言っちゃえばいいのに」

「それはちょっと心の準備が…」



穂高って奥手だよね。



好きなら好きって言っちゃえばいいのにはかなり賛成。



他のみんなもうなずいてる。



みんな結構ガツガツ行く派だよね。



「恋愛強者こわい…」



別にそんなんじゃないけど…。



そんな話してたら父さんも帰ってきた。



「おお、人がたくさんいる」



母さんと同じ反応…。



「みんなで集まってなんの話してたの?」

「俺の恋愛相談っす!」

「若いね~」

「お父さんも好きなら好きって言うべきだと思いますか? 俺はちょっと心の準備が整わないんですけど…」



穂高はさ、友達の両親と姉とその彼氏にこんな恋愛相談してて恥ずかしくないのかな。



好きな子に好きって言えないのに友達の家族には恋愛相談できるんだ…。



「まあ言うには勇気いるよね~」



父さんがのほほんと穂高に返した。



穂高が仲間を見つけたと言わんばかりに嬉しそうにする。



「ですよね!」

「でも今が頑張り時なんじゃない? とりあえずクリスマスくらい誘ってみたら?」

「たしかに…。わかりました、がんばります…」



おお、なんかやる気になったみたいだ。



それから穂高は送る文章をしばらくずっと考えてた。



その間に渚くんは姉ちゃんの部屋に行って寝る準備。



今日はうちに泊まるらしい。



俺も眠いからそろそろ寝たいんだけど…。



穂高はいつ帰るのかな…。