好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「男2人で何見てんの?」

「俺の恋愛勉強」

「そんなん見てないで実践しな」

「じゃあ渚くんが教えてよ」

「何が知りたいんだよ」

「このあとどうやって好きな子と距離詰められるか!」



穂高がそう言いながら、明莉ちゃんとのやり取りを見せた。



渚くんがじっとスマホの画面を見る。



「お前はあれだ、可もなく不可もない話をしすぎ」

「というと?」

「もっと恋愛観とか過去の恋愛とか聞いてみろよ」

「なるほど!」



渚くんが穂高に恋愛指南してる…。



だけど、2人がそんなやり取りをしてたら、姉ちゃんが不機嫌になりだした。



「なんで渚そんな恋愛に詳しいの? 慣れてるんだ…」



はじまったよ…。



姉ちゃん嫉妬深いから…。



俺もそうだけど…。



そんなところに血のつながりを感じたりして。



「陽鞠の方が付き合ってきた人数多いだろ。どの口が言うんだよ」

「た、たしかに…。スミマセン…」



なんか乳繰り合ってるなあ…。



姉ちゃんはすぐ渚くんに負けるけど。



こんなやり取りを何回見てきたか…。



それから4人で映画の続きを見た。



ちょうど見終わった頃に母さんが帰ってきて。



「おお~、なんか人がたくさんいる」

「お邪魔してます!」

「みんなうちでご飯食べてくの?」

「いいっすか!?」

「しょうがないな~。みんな手伝ってね」

「了解っす!」



というわけで比較的大きい男3人の割とむさくるしいキッチンになった。



お米研いで、野菜の皮向いて…。



出来上がったカレーをみんなで食べる。