好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

あたしは先輩の目を左手で隠して右手で食べ始めた。



先輩がその手をやんわりと外す。



「ごめんごめん、もうそんなに見ないようにするよ」

「約束ですよ…」

「はいはい」



もう…。



先輩は正面を向いてラーメンを食べるのを再開した。



あたしも静かにラーメンをすする。



一方、明莉と穂高先輩は楽しそうにしゃべってる。



雰囲気良いかも!



良かった~。



そしてみんなでラーメンを食べ終わってから解散した。



「じゃあね~」



ニコニコと左手で明莉と穂高先輩に別れを告げる風里先輩。



右手は有無を言わせずあたしとつながってる。



恥ずかしいです…。



そのまま2人で同じ方面に帰る。



「ラーメンおいしかった?」

「はい! すごく」

「良かった」

「先輩は…明莉と穂高先輩誘って怒りました…?」



あたしがそう言うと、驚いた顔であたしを見た。



「そういう風に見えてた?」

「いえ…誘ったら嫌そうだったので…」

「怒ってたんじゃなくて2人でいられなくて寂しかったんだよ。気遣わせちゃってごめんね?」



ならいいけど…。



先輩ってあたしのこと本当に好きでいてくれるんだね…。



あたしが先に好きになったのに…。



「先輩、あたしの方が先輩のこと好きだから追い越さないでください」

「何それ~。俺、言っとくけど小糸ちゃんのこと相当好きだよ?」

「それは伝わりました…。悔しい…」



先輩は嬉しそうに笑ってる。



その笑顔が素敵すぎるから、もうなんでもいいや!



幸せ!