好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それから3人でラーメン屋に向かった。



着くと、お店の前で私服の穂高先輩がスマホをいじって待っていた。



あたしたちに気付き、嬉しそうに手を振る。



「お久しぶりです」



あたしと明莉は穂高先輩に頭を下げる。



「久しぶり!誘ってくれてありがとう。じゃあ中入ろうかー」

「はい!」



4人でお店の中に入った。



カウンター席に通されるあたしたち。



「小糸ちゃんはここね」



風里先輩がそう言って、あたしを1番端っこにする。



穂高先輩から離そうとしてるんだ…。



確かに穂高先輩のことを是が非でも呼びたかったのは事実だから、風里先輩も変に勘がいいな…。



「明莉ちゃん、お土産買ってきたよ。八ツ橋」



穂高先輩がそう言って明莉に袋を渡した。



「えー!ありがとうございます…!」



明莉は嬉しそうだ。



うんうん、連れてきて良かった。



それからラーメンが出てきて、みんなで食べる。



って、今気づいたんだけど風里先輩の前でラーメンすするの恥ずかしいな…。



あたしは先輩からちょっとラーメンの丼を離して静かに啜り始めた。



「小糸ちゃん? どうしたの?」

「なんか恥ずかしくて…」

「恥ずかしい?」

「先輩の前で麺なんかすすれないです…」



あたしがそう言うと先輩はハハと笑った。



それからあたしのことをじーっと見る。



「そんなに見られたらいつまで経っても食べられないじゃないですかぁ…」

「可愛いじゃん? 恥ずかしがりながら食べる姿見たい」



やっぱSっぽいよね、先輩…。



ちょっと変態チックでもある…。