好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

次の日は先輩のいない学校。



2年生は修学旅行の振替休日で今日と明日はお休みだ。



寂しいけど昨日久しぶりに会えたもんね。



それに今日は放課後に先輩と会う約束をしてる。



最近できたラーメン屋さんに一緒に行くの。



あたしが行きたがってるの知って先輩が誘ってくれたんだ。



楽しみ〜。



「おはよー明莉」

「おはよう〜。なんかいつもより元気だね?」

「そうなの〜。先輩が昨日会いに来てくれて!」



あたしは明莉に昨日の話をした。



最後まであたしの惚気を聞いてくれた明莉は、「いいなあ…」と呟いた。



「うん? どうしたの?」

「ううん! なんでもないの!」



絶対なんでもなくないと思うけど…。



あたしは明莉のことを不思議そうに見る。



明莉はあたしの視線に気がついてさっと視線を逸らした。



「正直に言ってみて?」

「……実はね」



明莉は観念したみたい。



ちょっと恥ずかしそうに話し始めた。



「あたし…穂高先輩のこと気になってて…」

「ええ! そうだったの? いつから?」

「勉強合宿のときくらいから…。ちょこちょこ連絡もしてるんだけどね、修学旅行中も写真とか送ったりしてくれて…」

「へえ〜! いい感じなんだね」

「うーん、それが、送られてくる写真に女の先輩とか映ったりしてて…。正直気になっちゃうんだよね、脈ないのかなあみたいな…」



なるほど…。



私も恋愛初心者だからなんも言えることないや…。



あ! 良いこと考えた!



「今日風里先輩と一緒にラーメン食べるんだけど、穂高先輩も誘って4人で食べる?」

「え? でも2人でいたいでしょ…?」

「あたし昨日も会ったから大丈夫!」



いつもあたしの話聞いてくれる明莉のためだもん。



たまにはいいよね!



早速先輩に連絡してみる。



『今日、明莉と穂高先輩も誘いませんか?』



すぐに既読がついた。



『えっ…俺と2人じゃいや…?』



ショックを与えてしまった…。