好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

あんま恋愛でわくわくしたことってないかも。



中学生のときは恋愛覚えたてでなんか色々してたけど…。



もう慣れてしまった今、新しい恋愛にきゃっきゃすることはなくなったな…。



「風里、好きな女と恋愛するのが一番幸せだからな。そうじゃないならやめとけ。相手も自分も疲弊するだけだから」



悠麗くんが言った。



好きな女と恋愛ね…。



好きってなんだろうか…。



もうそんな感覚も忘れてしまったような…。



それから悠麗くんが作ってくれたパスタを食べ、悠麗くんの家を出て待ち合わせ場所に向かった。



しばらく待ってると、先輩がやってきた。



キラキラ華やかにおしゃれしてる。



「ごめんね、待った?」

「そんなに待ってないですよ~。行きますか」

「うん!」



先輩と映画を見て2人でポップコーン分け合って。



カラオケに入って盛り上がる。



「は~、やっぱ風里くんといると楽しいわ」



先輩が歌い終わってマイクを置く。



そして、俺の顔をじっと見た。



そのまま、先輩が俺にキスをする。



「風里くん…あたしと付き合おう?」



普通、ここでOKするよね…。



デートも何回もして、SNSとかでもそれなりに話して。



過去の恋愛の話とかも色々した。



だけど…。



悠麗くんの昼間の言葉が脳裏に浮かぶ。



『好きな女と恋愛するのが一番幸せだから』



俺は、この先輩のことが恋愛という意味で好きかと言われると…そうじゃない。



「…ごめんなさい」



断ってしまった…。