好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~風里~

「もうすぐ試験ですね~…。憂鬱だなあ…」



10月の今日。



今日も一緒に登校している小糸ちゃんは、朝からため息。



「試験頑張ったらまたご褒美あげるよ。何がいい?」

「え~! どうしようかな…」



考え込んでしまった。



「まあまた考えておいてよ」

「はい! 一緒に試験勉強してくれたら尚嬉しいです」

「そうだね~」



2人で勉強なんてしたら小糸ちゃんに触りたくて邪魔しちゃうかもしれないけど…。



気を付けよう。



「じゃあまた放課後ね~」



そう言って別れた。



教室に入ると、穂高がすでに来ていて、英単語帳と向き合ってた。



「おはよー、早いね」

「試験の結果悪かったら修学旅行行かせないって親から脅されてるから早く来て勉強してんだよ…」



なるほど…。



それは大変だ。



試験が終わったあと、すぐに修学旅行がある。



2年生最大のイベントと言ってもいいくらいだから、そりゃ頑張るよね…。



「明莉ちゃんと小糸ちゃんと4人で勉強会しようぜ」

「いいけど…」

「せっかくだからお前の家で勉強合宿とか」



勉強合宿…?



それはさ、穂高、ちゃんと集中できるの…?



まあ穂高がいいならいいけど…。



小糸ちゃんに提案したら「楽しそうですね!」と喜んでた。



小糸ちゃんが楽しいならなんでもいいや。



それから当日の土曜日がやってきた。