好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

わー…どうしよう、目は? つぶった方がいいの?



ぎゅっと目をつぶる。



瞬間、触れた唇。



やわらかい先輩のそれは、暴れる心臓とは裏腹、なんだか心地よい。



多分、本当に一瞬の時間だったと思う。



だけどあたしにはすごく長い時間のように思えて…。



ゆっくりと唇を外した先輩は、あたしの顔の近くでにこっと笑った。



の、悩殺です…。



「やっぱかわいいね、小糸ちゃんは」

「かわいくないです…」

「この先は…我慢しとくよ。死んじゃいそうだし」



この先っ…。



あたしは一気に顔が赤くなるのを感じた。



そ、そうだよね…。



先輩は他にもいろいろしたいよね…。



でもそれはあたしがまだ恥ずかしいから無理です!



先輩は優しく笑って、あたしの頭をそっと撫でた。



「今はこれで満足だよ」

「先輩…」

「いつかもっとすごいことさせてね?」

「は、はい…」



それから先輩はアハハと声を出して笑った。



なんか先輩の手の上で転がされてる気分…。



先輩ってかなり色っぽいかも…。



そんな先輩に、あたしはまだまだ虜になりそうな予感がした。