好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

入った風里先輩の部屋は、すごく整っていておしゃれ。



壁紙も家具も優しいブルーで統一されてる。



壁には本棚が設置されていて、そこに色々な種類の本が並べてあって、先輩が作ったっぽい作品とかも飾られてた。



すごく先輩らしい部屋だなあ…。



きょろきょろと先輩の部屋を見回す。



新鮮だ…。



「テレビでも見る?」

「ん~…あっ、先輩のアルバム見せてください! 子供のときの」

「アルバム? いいけどどこにあったかな…。ちょっと待っててね」



先輩はそう言って部屋を出て行った。



しばらくしてから部屋に何冊かアルバムを抱えて持ってくる。



早速見させてもらった。



子供の時の先輩…。



うわあ、めっちゃかわいい…。



楽しそうに走ってる写真、お絵かきしてる写真、お母さんと一緒の写真…。



お腹の大きいお母さんに、お姉さんがチューしてる写真とかも。



「これは誰ですか?」



小学生の風里先輩が、かっこいい男の人と絵を描いてる。



「これは叔父さんの悠麗くん。俺がすごい憧れてる人。悠麗くんに色んなこと教わったんだ」



へええ…。



風里先輩の憧れてる人かあ…。



あたしって風里先輩のこと何も知らないなあ…。



「先輩」

「ん?」

「これから先輩のこと、たくさん教えてください」



あたしがそう言うと、先輩はにこっと笑った。



「小糸ちゃんも、小糸ちゃんのこと、俺に色々教えてね?」

「はい!」



これから先輩と一緒に色んな話をして、色んなところに行って、色んなことをするんだ。



そう思ったら本当に楽しみで、あたしは幸せが止まらなくなった。