好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「やっと気が付いたの。俺、小糸ちゃんが好き。とってもね?」

「うそだ…」

「うそじゃないよ。だって小糸ちゃんのことばっかり考えちゃうもん」

「うそ…。そう言ってあたしのこと丸め込もうとしてるんだ…」

「うそじゃないってば…。どうしたら信じてくれるかな…」



全然信じられないって顔の小糸ちゃん。



俺はそんな小糸ちゃんのことを、もう一度強く抱きしめた。



小糸ちゃんの顔を見る。



「好きだよ」



そう言うと、小糸ちゃんが思い切り目から涙をあふれさせた。



「本当ですか…?」

「うん、大好き」

「あたしも…大好きです…っ」



涙を流し続ける小糸ちゃんを、子供をあやすみたいにして抱きしめた。



本当にかわいいんだから…。



「俺と付き合ってくれる?」



俺の言葉に、小糸ちゃんは何度もうなずいた。



俺はそんな小糸ちゃんにふふ、と笑う。



あ、俺、なんかすごい幸せかも…。



「そういえば小糸ちゃん、そんなお洒落してどこ行ってたの…。結人くんのとこ…?」



俺がそう言うと、小糸ちゃんは一瞬キョトンとしてから涙顔のまま笑った。



「違いますよ! 明莉と遊ぶ約束してて家出たんですけど、明莉が急遽来られなくなって…引き返してたところです」

「じゃあここで会えたのって本当にめっちゃ偶然? 俺、今日会えなかったらどうしようかと思ってたんだけど…」

「もしあたしが今日明莉と遊んでたら、先輩夜まで待ちぼうけでしたね」

「そんなことにならなくて良かった…」



小糸ちゃんが楽しそうに笑ってる。



うん、俺、この顔を見られるだけでなんだか満たされる気がする。



これからよろしくね、小糸ちゃん。