好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「これ、小糸ちゃんにあげる」

「え…?」



小糸ちゃんが訳の分からない顔をしたまま袋を受け取った。



「開けてみて」

「はい…」



袋から箱を出し、箱を開ける小糸ちゃん。



瞬間、「うわぁ…!」と顔が明るくなった。



「すごく綺麗…」

「俺が作ったの」

「先輩が? これを? すごいですね!?」

「まあね」



でも、次の瞬間、小糸ちゃんの顔が曇る。



それからまた半泣きの顔になった。



「なんで優しくするんですか…。これ以上エサだけぶら下げて期待させないでください…。先輩のバカ…」



そう言って泣き始めた。



焦る俺。



小糸ちゃんのことを無意識にそっと抱きしめた。



「先輩!? なにしてるんですか…!?」

「小糸ちゃん、ずっとごめんね」



そう言って、小糸ちゃんの顔をまっすぐ見た。



涙で潤った目がなんだかかわいくて。



指で小糸ちゃんの涙をぬぐった。



「小糸ちゃん、俺、小糸ちゃんのこと…好きだよ」



そう言った瞬間、小糸ちゃんの目が丸くなる。



俺は、そんな小糸ちゃんが愛おしくて、小糸ちゃんの頭を撫でた。