好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「小糸ちゃん、写真で見るよりかわいいな!」

「いやいや、そんな…」

「風里とはどこで知り合った?」

「えーっと…同じ学校で…あと風里先輩がよく来る花屋さんでバイトしてて…」

「小糸ちゃんも美術に興味あったりするの?」

「あたしはそこまでは…」



なんか質問攻め…。



助けて先輩!



そう思って先輩を見たのに、先輩はのんき。



「みんな俺が彼女とか連れてくるの初めてだから嬉しいんだよ」



そう…なのか…。



歓迎されてるってことだよね?



それは嬉しいことだ…。



「それよりほら、見て、このトンネル抜けたら雪国だからね」

「えっ? わあ…!」



さっきまで長い長いトンネルを車で走っていたのに、抜けた瞬間、一面白銀の世界に変わった。



すごーい!



あたしは窓にかじりつく。



なんとなく車内の人たちがあたしのことを子供を見るような目で見てる気が…。



そうか、あたしが最年少か…。



「小糸ちゃんはあたしたちと一緒にスキーとかする? あたしたち毎年やってるんだけど」



陽鞠さんがあたしに聞いた。



「スキーですか? やったことないです…」

「楽しいよー。って言ってもあたし超下手だけどね」



あたしもやったら下手そう…。



体育めっちゃ苦手だし…。



でも先輩もやるらしいのでやってみることにした。