好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~小糸~

現在、あたし、ちっちゃくなってます…。



風里先輩の受験が終わり、自由登校になった2月。



風里先輩から突然こんなお誘いを受けた。



~「旅行ですか?」

 「うん! 毎年親戚集まって夏か冬に旅行行ってるの! 小糸ちゃんも来ない?」

 そういえばそんなこと前に言っていたような…。

 あたしなんかが行ってもいいのかと思ったけど、お姉さんや従兄さんは毎年恋人を連れてきてるらしい。

 風里先輩はそういうことしたことないらしいけど。

 それなら…。

 「あたしも…お邪魔していいですか?」

 「もちろん!」



というわけで、現在、目的地に向かう車の中。



親戚一同が会するこの旅行はかなりの大所帯なので、2台の車に分かれて乗車する。



あたしの乗る車は、いつもの先輩のご家族と、先輩のおじいちゃんおばあちゃん。



おじいちゃんおばあちゃんとは会うのは初めましてで緊張で小さくなる体。



何よりアウェーを感じる気がっ!



「小糸ちゃん、狭くてごめんねー」



運転してるお母さんがミラーごしにあたしに言ってくれる。



「それは全然!」



だけど、おじいちゃんおばあちゃんの目線が気になるんです…。



先輩から事前に聞いてる情報だと、おじいちゃんはお母さんが社長をやってるカメラマンの養成事務所の会長さんで、自分自身もカメラマンなんだって。



だからか、若々しさを感じる。



あと豪快さも…。