好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

そんな凛太郎とはそれからも定期的に会ってて。



今日は凛太郎の卒業式の日。



「卒業式、行かなくて良かったの?」

「うん、行っても気まずいから…」

「そっか。じゃあ俺と卒業式やろ」



というわけで、凛太郎に花のコサージュを作ってあげて、卒業証書も作ってあげた。



あとで凛太郎の彼女が本物持ってきてくれるらしいけどね。



俺からのはなむけだよ。



「はい、卒業おめでとう」

「ありがとう…」



凛太郎はちょっと目が潤んでて。



多分いろんな気持ちが混ざってる。



卒業式に参加できない悔しさとかもあるんだと思う。



でも…。



「風里くん、俺、中学生になったらちゃんと学校行くよ」

「お、いいじゃん」

「それで、美術部に入る!」

「最高だね」

「ぜんぶ風里くんのおかげだよ。ありがとう!」



そう言う凛太郎の顔は晴れ晴れとしていて。



凛太郎が新しい一歩を踏み出せたなら良かった。



それから中学生になった凛太郎は、ほとんど俺と顔を合わせなくなった。



少し寂しいけど、それは凛太郎が新しい生活を楽しんでるってことで。



だけど、久しぶりに来たメッセージ。



『風里くん! 俺の絵がコンクールで大賞取ったよ!』



その言葉とともに送られてきた写真は、はじめて俺が凛太郎と会った場所の風景画。



凛太郎、成長したね。



なんだかちょっと感動しちゃって。



短い間だったけど、こうやって凛太郎の人生の支えの一つになれたなら良かったと思う。



俺は、凛太郎にありったけの誉め言葉を贈った。



凛太郎、これからも頑張れ!